椅子選びで失敗しないための5つのポイント

椅子は毎日使う家具だからこそ、慎重に選びたいもの。
「失敗しない椅子選び」のポイントをご紹介します。
目次 |
1. 座面の高さと奥行きを確認しよう
標準的な座面高(SH)は42〜45cmですが、身長や用途によって最適値は変わります。
テーブルとの相性も重要で、テーブル天板から座面まで25cm前後が理想的な距離です。
差尺が大きいと椅子が低く感じられ、腕を少し上げたまま食事をすることになってしまい、テーブルの奥にある料理も取りにくくなります。
反対に差尺が小さいと、顔とテーブルの距離が遠くなり、自然と前かがみの姿勢になってしまいます。
どちらも食事の時間を窮屈にしてしまうため、心地よく過ごせる差尺を選ぶことが大切です。

テーブルの高さ-椅子の座面高=差尺25cm前後 が理想

引き出しがある場合は足がぶつからないよう考慮しましょう
座面奥行きは深すぎると背もたれに届かず、浅すぎると太ももが圧迫されてしまいます。

実践アドバイス
実際に座って、足裏全体が床につくか確認しましょう。
また、お店で試す場合は必ず靴を脱いで確認しましょう。靴底の厚みで高さが変わってきます。
足を組んだ時もイメージすると良いでしょう。
2. 素材選びは使用環境をイメージしよう
椅子の座面素材は、見た目の美しさだけでなく、使用環境や生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。
それぞれの素材には独自の特性があり、メリットとデメリットを理解することで、長く快適に使える椅子を選ぶことができます。
ラタン(籐)
東南アジア原産のヤシ科の植物から作られる天然素材で、北欧家具でも古くから愛用されています。

メリット
- 優れた通気性: 編み目から空気が通るため、夏場でも蒸れにくく快適
- 軽量で丈夫: 見た目以上に強度があり、適切にメンテナンスすれば数十年使用可能
- しなやかな座り心地: 適度な弾力性があり、体を優しく受け止めます
- 経年変化の美しさ: 使い込むほどに飴色に変化し、味わいが増します
- 張り替え可能: 専門業者による張り替えで新品同様に蘇ります
デメリット
- 乾燥に弱い: 湿度が低すぎると割れやささくれが発生する可能性
- 定期的なメンテナンスが必要: 年に1-2回程度のオイルケアが推奨されます
- 直射日光に注意: 長時間の日光で劣化が早まることがあります
- 張り替えコストが高め: 専門業者による手作業での編み込みのため、張り替える際のコストが比較的高めです
おすすめの使用環境
リビング、ダイニング、書斎など室内全般。特に湿度管理ができる環境が理想的です。
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ペーパーコード
紙を撚って作られた紐を編み込んだ座面で、北欧家具の伝統的な素材です。

Hans J. WegnerのCH23 ペーパーコードタイプ
メリット
- 独特の座り心地: 適度な弾力と通気性を兼ね備え、長時間座っても疲れにくい
- 軽量: 椅子全体の重量を抑えられるため、移動が楽
- 水拭きOK:軽い汚れなら水拭きで落とせます。しっかり乾燥させましょう
- 職人技の美しさ: 手作業で編まれた座面は芸術品のような美しさ
- 張り替え可能: 専門業者による張り替えで新品同様に蘇ります
デメリット
- 汚れが目立ちやすい: 淡色の場合、使用による汚れが蓄積しやすい
- 摩耗による劣化: 使用頻度が高いと10-15年で張り替えが必要になることも
おすすめの使用環境
ダイニング、書斎。小さなお子様がいる家庭では汚れ対策を検討しましょう。
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ファブリック(布地)
ウール、コットン、リネン、ポリエステルなど、様々な繊維で作られた布地。
色柄のバリエーションが豊富で、インテリアに合わせやすいのが特徴です。

メリット
- 柔らかな座り心地: クッション性が高く、長時間の使用でも快適
- 豊富なデザイン: 色、柄、質感のバリエーションが多く、他のインテリアに合わせやすい
- 温かみのある質感: 冬場でも冷たさを感じにくい
- 張り替えでイメージチェンジ: 生地を変えることで雰囲気を一新できます
デメリット
- 汚れやすい: 食べこぼしや飲み物のシミが付きやすい
- ダニやホコリの付着: 定期的な掃除機がけが必要
- 色褪せ: 直射日光で退色する可能性がある
- 摩耗: 使用頻度が高いと毛羽立ちや生地の薄れが発生
素材別の特性
- ウール: 高級感があり、汚れに強く耐久性も高い。価格は高め
- リネン: 通気性が良く、ナチュラルな風合い。シワになりやすい
- コットン: 肌触りが良く、洗濯可能なカバーも多い。摩耗しやすい
- ポリエステル混紡: 耐久性が高く、お手入れが楽。天然素材より質感は劣る
おすすめの使用環境
書斎、リビング、寝室。ダイニングで使う場合は撥水加工済みの生地だとおすすめです。
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レザー(革)
本革は高級椅子の定番素材。使い込むほどに味わいが増し、一生ものの家具として愛用できます。

Hans J.Wegner JH701 Johannes Hansen製
メリット
- 圧倒的な耐久性: 適切にケアすれば20年以上使用可能
- 経年変化の美しさ: エイジングにより独特の艶と深みが出る
- 汚れに強い: 表面が滑らかで、液体をこぼしてもすぐに拭き取れば問題なし
- 高級感: 空間全体の格を上げる存在感
- お手入れが比較的簡単: 定期的なクリーニングとオイルケアのみ
デメリット
- 高価: 本革は初期投資が大きい
- 温度の影響: 夏は蒸れやすく、冬は冷たく感じることも
- 傷が付きやすい: 引っかき傷や擦れ傷が目立つ場合がある(それも味わいになりますが)
- 色褪せ: 直射日光で退色や硬化の可能性
- 定期的なケアが必要: 乾燥を防ぐためのオイルやクリームでのメンテナンス
革の種類
- アニリンレザー: 最高級。自然な風合いだが、傷や汚れが付きやすい
- セミアニリンレザー: 薄い保護層があり、実用性と風合いのバランスが良い
- 顔料仕上げレザー: 耐久性が高く、お手入れが楽。自然な風合いは少ない
おすすめの使用環境
書斎、リビング、オフィス。長時間座る場所や、投資価値を重視する方に最適。
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木製座面
無垢材や成形合板で作られた座面。シンプルで美しく、北欧デザインの真骨頂とも言える素材です。

Ejner Larsen & Aksel Bender Madsen “Metropolitan” Chair
メリット
- メンテナンスフリー: 張り替えや特別なケアが不要
- 清潔: 拭き掃除が簡単で、衛生的に保ちやすい
- 耐久性: 適切に扱えば半永久的に使用可能
- デザインの美しさ: 木目の美しさをダイレクトに楽しめる
デメリット
- 硬い座り心地: 長時間座るには不向き(クッションの併用を推奨)
- 冬場の冷たさ: 木材は熱伝導率が低いため、冬は冷たく感じることも
おすすめの使用環境
ダイニング(短時間使用)、カフェスペース。椅子本来のデザイン的にはお勧めできませんがクッションと組み合わせることで快適性が向上します。
3. アームの有無は用途で判断しよう
アーム付き
立ち座りが楽でリラックス向きですが、テーブル下に収まらない場合が多いです。
椅子を引いた時に余裕が持てるよう、椅子の後ろの奥行きを確認しましょう。

Børge Mogensen Model BM62 アームあり
アームなし
省スペースで、テーブルに収納しやすく、複数脚並べやすいのが特徴です。

Børge Mogensen Model BM61 アームなし
チェックポイント
テーブルの幕板(天板下の枠)とアームとの干渉を必ず確認しましょう。
4. デザインだけでなく構造もチェック
美しいデザインの裏には、確かな構造技術が隠れています。
長く使える椅子を選ぶには、見た目だけでなく「どう作られているか」を理解することが重要です。
接合部の仕上げと技術
椅子の耐久性を左右する最も重要なポイントが接合部です。
北欧家具の伝統的な木組み技術には以下のような特徴があります:
組み継ぎ
木材同士を凹凸で組み合わせる伝統技法。接着剤だけに頼らず、構造自体で強度を確保します

フィンガージョイント
指を組み合わせたような形状で接合面積を増やし、強度を高める技術です。
Hans J.WegnerのThe Chair JH503に用いられていることでも有名です。

ダボ接合
木製の丸棒(ダボ)で部材を固定する方法。見た目がすっきりしますが、施工精度が重要です。

チェックポイント
接合部に隙間がないか、ガタつきがないか確認しましょう。高品質な椅子は接合部が美しく仕上がっています。
脚部の構造と安定性
脚の数や構造の意味も理解しておくと、デザインへの視点も増え、選ぶ楽しさUPです。
4本脚
最も安定性が高く、荷重分散に優れています。ダイニングチェアの定番構造です。

Hans J. Wegner Model PP505 "Cowhorn Chair"
3本脚
デザイン性が高く、床の凹凸に影響されにくくガタつきません。荷重の偏りには注意が必要です。

Arne Jacobsen Model 3100 "Ant chair"
貫(ぬき)の有無
脚と脚をつなぐ横木(貫)は、構造を補強し長期使用での歪みを防ぎます

脚の角度
外側に開いた脚は安定性を高くする目的があります

垂直な脚はスタッキング(積み重ね)に適しています

実践アドバイス
椅子がガタついているかな?と思ったら別の場所にも置いてみましょう。実は床が歪んでいた、なんてことも。
5. 長期的なコストを考える
安価な椅子を5年で買い替えるのと、良質な椅子を20年以上使用するのでは、どちらが経済的でしょうか?
修理・メンテナンスの可否も重要です。ペーパーコードの張り替えやレザーの補修ができるかどうかで、椅子の寿命は大きく変わります。
ヴィンテージ市場での価値も考慮に入れましょう。

Hans J. Wegnerなどの名作のヴィンテージ品は資産価値も持ちます。
同じデザイナーでも製造メーカーや素材によって価値は変わりますので調べてみましょう。
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また、ローズウッドなど現在では製造ができない素材を使用している椅子は価値が高くなります。
一般的には多く流通しているモデルでも、ローズウッドを使用していると驚くほどの価値になることもあります。

投資の視点
1日あたりのコストで考えると、高品質な椅子は実は経済的です。
椅子選びは「見た目」「座り心地」「耐久性」のバランスが重要です。
あなたのライフスタイルに合った一脚を、一緒に見つけましょう。
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