ペーパーコード家具のケア
こんにちは。掃除大好きKONDOスタッフ藤崎です。
北欧家具に多く使用されている材料として「ペーパーコード」が挙げられます。
今回はそのペーパーコードについて解説し、修繕Before & Afterもご紹介しようと思います。
途中、ちょっとした(ほんとにちょっとした)実験もしていますのでぜひご参考にしてください。
ペーパーコードとは?
ペーパーコードとはその名の通り「紙の紐」です。
第一次世界大戦中に生産されるようになり、当初は麦など農作物を束ねる紐として使用されていたようです。
紙、というと破れやすそうなイメージがありますが、樹脂を含ませているためとても頑丈!
さらにそれを3〜4本依り合わせて1本の紐にしているため人が座る椅子に使われるほどの強度になったのです。

4本が依り合わせてあります
開いてみました。一枚一枚はとても薄いです。
2リットルのペットボトルを楽々2本持ち上げられます!
ペーパーコードは丈夫ですが、やはり「紙」なので汚れをそのままにしておくとシミが沈着したり、ホコリが絡みついたりするのがウィークポイントかもしれません。
ペーパーコードの椅子の座面にコーヒーをこぼしてみました。
やはり紙ですので、そこそこ吸い込んでしまった気がします。
水をティッシュに含ませて拭き取りました。
その後しっかり乾かしました。
全くシミになっておらず驚きです。
ヴィンテージ状態のペーパーコードでしたので、ペーパーコード自体の色が濃いめになっていたためシミとなってもあまり目立たなかったのかもしれません。
すぐ対処すれば水拭きである程度汚れは落ちるようです。
漂白剤はお勧めいたしません
洋服にシミがついた感覚で、漂白剤なら取れるんじゃ?
と思って試してみました。
赤ワインと
ケチャップを塗りたくってみました。
(実際ここまで汚れることはないと思いますが)
みずに薄めた塩素系漂白剤でパックします。
5分ほどで剥がしてみると、
あっ
大失敗です!
赤ワインとケチャップは跡形もなく消えましたが、ペーパーコードの色素まで抜けてしまいました。
乾かしたらなんとかなるかと思いましたが、なんともなりませんでした。
また、酸素系漂白剤でも試してみましたが、こちらもペーパーコードの色が抜けてしまいました。
漂白剤の使用は控えた方が安全ですね。
汚れ防止重視なら防水スプレーもアリ
(個人的に) 私は防水スプレー大好きです。
ペーパーコードの浸水防止や汚れ防止にも効くのでは?
と思いスプレーしてみました。
先程と同様にコーヒーをかけてみます
スプレーをした赤い点線のエリアは見事にコーヒーを弾き、ティッシュでさっと拭き取れました。
しかしスプレーの特性上、ペーパーコードの触感が若干ツルツルしてしまいます。
防水スプレーの塗布は汚れ防止にはなりますが、ペーパーコードの質感を残したい方にはおすすめいたしません。
※防水スプレーを使用する場合は玄関やベランダなど、充分な換気を確保した上で使用しましょう。
ペーパーコードの張り替え ~Before~
ペーパーコードの椅子は座面にペーパーコードが巻きついているだけです(そんなこと言っていいのか)。
つまりペーパーコードを外せば、新しく張り替えすることができます。
全体的な汚れが気になる…という方は張り替えをおすすめします。
今回は Borge Mogensen デザインの J39チェアのペーパーコードを張り替えてみました。
これはこれで風味があって良いのですが…
長年の使用感が… カビが生えてしまっています
謎の赤いシミが… 良くみるとペーパーコードの隙間にホコリが詰まっています。
こちらを張り替えてみたところ…
ペーパーコードの張り替え ~After~

なんということでしょう!(お決まり)
まるで新品のように生まれ変わったではありませんか。
新しいペーパーコードになったため、耐水性も元どおり。
ちょっとくらいコーヒーをこぼしてもさっと拭けば大丈夫。
これでまた数十年は使い続けることができるでしょう。
ちなみにこちらのJ39 チェア 1脚で、この量のペーパーコードが使用されていました。
頑丈なのも納得です。
※ご購入後にペーパーコードの張り替えをご希望の場合は、張り替え工房等をご紹介することも可能です。一度ご相談ください。