自宅でできる!籐の家具のお手入れ
こんにちは、柴犬が大好きな藤崎です。
今回は夏でも涼しく快適な、籐張りの家具のお手入れについてご紹介したいと思います。
目次 |
1. 「籐」とは?
籐は「とう」と読み、英語ではrattan「ラタン」と言います。
ラタン家具、ラタンチェアとよく聞くのはないでしょうか。
草かんむりの「藤」ではなく竹かんむりの「籐」。
漢字の通り竹のような節がありますが、ヤシ科のツル性植物です(竹はイネ科)。
東南アジアを中心に熱帯雨林地域のジャングルに自生している200種もの植物の総称を「籐」といいます。
そのうち約30種類が産業資材として利用されているそうです。
サイズも様々で、1本の籐を細く割いて籠を編んだり、太いものは杖や家具のフレームにしたり、幅広く利用されています。
2. 強いぞ!籐の特徴
籐は強度が非常に強く、しなやかで曲げることができます。
椅子の座枠に沿って籐をぐるりと巻きつけた椅子も多く見られます。
また籐は折れにくいため、かごなどの小物、ドアの取手の装飾など細かな部分でも多く使用されています。
無機質なドアの一部に籐が入るだけで、クラフト感のある温かみを加えてくれます。
3. 籐家具のお手入れをしよう
籐はこまめなお手入れをすれば、とても長く使い続けることができます。
① 普段のお手入れは乾拭き+ブラシで
まずは乾いた布で乾拭きをしましょう。
編み目の隙間に入ったホコリなどは硬めのブラシや掃除機で取り除いてください。歯ブラシが便利です。
② 水拭きOK!シミやよごれが付いた場合
家庭用中性洗剤を水で薄めてから、柔らかい布やスポンジで拭き取りましょう。
湿気がカビの原因になるので、必ずしっかり乾かすことを忘れずに。
あまり強く擦ったり、ブラシで押さえつけると思わず籐を破ってしまうこともあるので慎重に丁寧にお手入れをしましょう。
③ 年に一度のメンテナンス。オイルで保湿をしましょう
籐家具は水拭きをすることができますが、その後の保湿が大事です。
天然素材なので、乾燥や極端な湿気を嫌います。
冬は暖房の風が当たる場所を、夏は湿度の高い場所を避けましょう。
特に乾燥をしすぎると、籐に割れや裂けが生じる原因となります。
1. 水で濡らして固く絞った柔らかい布で、表面のホコリや汚れを取ります。
2. 一度しっかり乾燥させます。一晩放置してもOK。
3. 新しい布にオイルを取り、籐にオイルをくるくると馴染ませるように塗ります。
ここで注意したいのは、細かく塗ること!
ざっと塗ってしまうと、籐が重なっている部分にオイルが塗れていません。
上下、左右まんべんなく隙間までオイルが行き届くように細かく塗っていきましょう。
4. 20分ほど放置し、乾いた新しい布でオイルを拭き上げます。ベタつきが残らないようにしましょう。
オイルを塗っただけでもかなり艶が出ました。
お肌も水洗いした後、放置していると余計に乾燥してしまいますよね。
シワ予防や手のアカギレを防ぐために保湿をするように、籐も適度な保湿を施しましょう。
※注意 日本は湿度が高いため、秋〜冬の乾燥する季節に保湿するようにしましょう。湿度が高い環境でさらにオイルを施すとカビが発生する場合があります。
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4. 長く保って経年変化でより美しく
籐は比較的はっきりと経年による色の変化が見られます。
左が張り替えたばかりの籐、右がヴィンテージ状態の籐です。
かなり色味が変わっていることが分かると思います。
新しい籐は肌色の明るい雰囲気ですが、年月を経るフレームの木材に同調するように深い色に変化します。
ヴィンテージの状態から張り替える際は、かなり家具の印象が変わることを想定して行いましょう。
色づくのも早く、たった1年でも色の深みは増します。
5. 破れてしまったら?全面張り替えをしよう
籐はペーパーコードと同じように張り替えができます。
好みのヴィンテージ品を見つけたとしても、座れないほど籐が破けてしまっていることもあります。
小さな破損でも、座って怪我をしたり、服が破れてしまうことがあり危険なので、そのような場合は全面を張り替えてしまいましょう。
日本国内に籐の張り替え専門店はいくつかあります。そのお店に北欧の家具の籐張りの事例があるかどうかなど、事前に確認したいものです。
また、家具のモデルによって籐の細さや、編み方が異なります。
参考資料などがあれば依頼しやすいでしょう。
全体的に損傷が大きく、たとえ座ることができても座ると衣服が引っかかってしまいそうです。
こちらが籐を張り替えた品です。とても綺麗に仕上がっていますね。
色味も明るくなり、お部屋の雰囲気もかなり変わるのではないでしょうか。
これからの経年変化も楽しみです。
張り替えた後も、長く使えるように丁寧なお手入れをしていきましょう。
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モデルによって籐の編み方や、太さ、経年変化の違いが良く分かると思います。
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