北欧家具に使用される木材
こんにちは、KONDOスタッフ 藤崎 です。
北欧家具は木材ならではの質感やフォルムがいいですよね。
ヴィンテージ品ともなると年月を経てあらわれる色味が、デザインそのものとはまた別の美意識を生み出しているのではないでしょうか。
今回は北欧家具に多く使用される木材の種類について解説したいと思います。
種類によっては超希少なものもあったりしますよ!
目次4. 一度はお目にかかりたい!?希少&高級材「ローズウッド」 |
重くて堅い。人気の木材「オーク」
オークはブナ科コナラ属の木材です。
日本、中国、ロシアを産地とする場合は「ナラ」漢字で書くと「楢」、北米東部を産地とする場合は「オーク」といい、 特徴や色味が似ているため同じ種類として扱われていることもあります。
基本的には日本や中国、ロシアで採れる木のことをナラ、北米で採れる木のことをオークというそうです。特徴が似ているため同じ種類として扱われることがほどんどのようです。
柾目面には独特の「虎斑杢」と呼ばれる帯状の模様があらわれる材もあります。
オーク無垢材の虎斑 |
湿気や虫食いにも強く耐朽性に富み、日本でも住宅や店舗などの床で幅広く使用されています。ウイスキーの樽やなんと船舶にも使われるほどの耐水性も!
経年により飴色になり艶が出てくるので、長く使える北欧家具にはぴったりの素材ですね。
オークを使用した商品例
Børge Mogensen Model J39 |
Hans J. Wegner AT15 テーブル |
繊細な木目に注目!「ブナ(ビーチ)」
ヨーロッパでは「ビーチ」、日本ではブナ科ブナ属のためそのまま「ブナ」と呼ばれています。
ほのかなピンク色でやさしい色合い。北欧家具というと明るいイメージがありますがこのビーチの色を想像しているのではないでしょうか。
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木目はきめ細やかで白く、触ってみるとさらさらした滑らかさがあります。
また、堅くて重く、粘りがあり弾力性に富んでいるため、曲木家具にも広く利用されています。
ブナ(ビーチ)を使用した商品例
Arne Jacobsen Model 3130 チェア |
Nanna Ditzel “Lulu” ゆりかご |
世界三大銘木の一つ!高級木材「チーク」
シソ科チーク属のチークはミャンマーやインドネシアなど主に東南アジアの熱帯気候の地域に生育しています。
それが北欧にまで海を渡って伝わったんですねぇ。
すべすべした触り心地で、細かい縞模様。 |
もともと水分を多く含む木なので、伐採後すぐに加工すると反りや割れが生じてしまいます。ですがしっかりと乾燥させることによって安定性・耐久性が高まり、豪華客船や高級家具に使えるほどになりました。
使い込むほど色が濃くなり艶も出てくるためチーク材の使用したヴィンテージ家具はとても人気があります。
チークを使用した商品例
Finn Juhl 引き出し付きテーブル |
Ejner Larsen & Aksel Bender Madsen “Metropolitan” チェア |
一度はお目にかかりたい!?希少&高級材「ローズウッド」
紫がかった独特の色調が美しく、木からバラの香りがすることから名前に「ローズ」が入っているのだとか!
もともとの色調が美しく乾拭きするだけで艶が出る上に、堅く丈夫な木材なので特別な加工をしなくてもそのまま使用することができます。
曲線美を生み出すローズウッドの艶 |
家具に使用される材の中でも最高級に位置づけられ、中でもブラジリアンローズウッドは幻の材といわれるほど希少なんです。
現在はワシントン条約により国外への輸出入が規制されています。
あまりにも高価だからか家具や楽器、柄(え)の部分などの小さい部分の材料に活用されることが多いようです。
ローズウッドを使用した商品例
Ole Wanscher Model PJ149 コロニアルチェア |
Svend Langkilde チェスト |
上品な色合いが素敵。「マホガニー」
センダン科の木材でこちらも世界三大銘木の1つです。
赤褐色の木肌が美しい高級材。中でも「キューバンマホガニー」は現在輸出入が制限されており入手困難とされています。
ヴィンテージらしい深い色と艶 |
優良材は年を経るほどに光沢を増していくのでヴィンテージ品の色合いをぜひ楽しんでみてください。
加工がしやすく木目が締まって耐久性が高いので、彫刻的なデザインに向いていると言えるでしょう。
マホガニーを使用した商品例
Jacob Kjaer チェア |
Severin Hansen Jr. サイドテーブル マホガニー |
時間とともに深くなる優美な色合い。「チェリー」
バラ科サクラ属の木材で主に北欧を産地とするものをチェリーと呼ぶそうです。
反りや狂いが少なく、耐久性・耐水性に優れているため広く家具や床材に用いられてきました。
樹脂痕による黒い斑点や筋状の模様が現れ、これを「ガムポケット」と呼びますが、これは生命力が強い高樹齢の木ほど多くみられるようです。
経年変化の度合いが深くみられ、よりレッドブラウンとなった風合いを楽しむことができます。使い込むほどに飴色になり高級感も出てきますよ。
チェリーを使用した商品例
Børge Mogensen Model9004 チェア |
Rud Thygesen & Johnny Sørensen テーブル |
このように木材は模様があったり経年変化によって色味が変わったりするのが大前提です。
木材を使用した家具に「傷かな?」「シミかな?」と思われるものがあっても実は木材ならではの特徴であったりします。
またホームセンターなどで売られているような新品の木材をみた後に、同じ木材を使用したヴィンテージ家具などをみても「あれ?色が全然違う…」と思われることもあるかもしれません。
しかしそれは長く使いこんだ経年変化でもあるのです。年月を経て木材の風味を増したヴィンテージ家具はより生活に溶けこんでくれるはずでしょう。
ぜひ家具に使われている木材それぞれの個性やこれまでの月日にも思いを馳せて、変化や特徴を楽しみながら長く家具を使ってくださいね!
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