北欧ヴィンテージテーブルの仕上げについて
〜オイル仕上げ・ラッカー塗装・ウレタン塗装〜

北欧ヴィンテージテーブルの美しさを何十年も保ち続けるには、仕上げ方法に応じた適切なケアが不可欠です。
仕上げとは木部の塗装のこと。
KONDOのサイトでは商品ページのFinishingの項目や、【ブルーンキュレーターコメント】に記載しています。
1950〜70年代に製作されたこれらの北欧家具は、オイル仕上げ、ラッカー塗装、ウレタン塗装という3つの方法で仕上げられています。
それぞれの特性を理解し使用することで、次の世代へと受け継ぐことができる家具となります。
また、ご自宅でできるお手入れ方法についても確認しておきましょう。
目次
| 0. |
準備 その1 - オリジナルの仕上げ方を調べよう 準備 その2 - オイル仕上げ・ラッカー塗装・ウレタン塗装の見分け方 |
| 1. | オイル仕上げ - 経年変化を楽しむ自然な質感 |
| 2. | ラッカー塗装 - 木目の美しさを引き出す透明感 |
| 3. | ウレタン塗装 - 日常使いに強い耐久性 |
| 4. | ヴィンテージ品ならではの配慮 |
0. 準備 その1 - オリジナルの仕上げ方を調べよう
まず、オリジナルの仕上げ(塗装の種類)を確認しましょう。
ヴィンテージ家具のメンテナンスや再仕上げを検討する際、最も重要なのはそのモデルがオリジナルでどのような仕上げをしていたかを調べることです。
デザイナーたちは、それぞれの作品に最適な仕上げ方法を慎重に選択していました。
例えば、Hans J. Wegnerの特定のモデルはラッカー塗装が標準仕様であり、Finn Juhlの作品の多くはオイル仕上げが採用されています。素材や用途によって仕上げも様々です。
モデルによっては特定の仕上げと決まっている場合があり、オリジナルと異なる仕上げを施すことで、デザイナーが意図した美しさや質感が損なわれる可能性があります。
オリジナルの仕上げを調べる方法
- 製造者のカタログや資料:デンマークの家具メーカー(Carl Hansen & Søn、PP Møbler等)の当時のカタログには仕上げ方法が記載されている場合があります
- 専門書籍や図録:ヴィンテージ家具の専門書やオークションカタログの解説には、製造時の仕様が記載されていることがありま
- 専門家への相談:購入元の店やリペア職人に問い合わせることで、正確な情報が得られます。また、デンマーク家具に詳しいコレクターが見つかれば、SNS等を通して質問してみるのもありです!
オリジナルの仕上げを尊重することは、家具の価値を保つだけでなく、デザイナーの意図した美しさを次世代に伝えることにもつながります。
0. 準備 その2 - オイル仕上げ・ラッカー塗装・ウレタン塗装の見分け方
実物しか情報がない場合でも、見た目や手触り、水分に対する反応で大体の仕上げは見分けることができます。
① オイル仕上げ
- 半ツヤで自然な質感
- 触ると木の素材感を直接感じる
- 水滴が少し浸透する
② ラッカー塗装
- 表面に光沢があるが、ウレタンより薄い塗膜
- 触ると滑らかだが、木の質感も感じられる
- 水滴を垂らすと弾くが、長時間放置すると染みができる
- 経年変化で黄色み(塗装の劣化)を帯びることがある
③ ウレタン塗装
- 表面に塗膜があり、艶ありの場合は光沢がある(艶消しの場合はマットな質感)
- 触ると滑らかでツルツルした感触
- 水滴を垂らすと弾く
それでは、それぞれの仕上げについて特徴や、それに合ったお手入れ方法を確認しましょう。
1. オイル仕上げ - 経年変化を楽しむ自然な質感

特徴
木材用のオイル(亜麻仁油配合のオイルやチークオイルなど)を浸透させる仕上げ方法です。
1800年代後半から現在に至るまで最も広く、伝統的な仕上げ方法として採用され続けています。
オイルは木材の繊維に浸透し、内側から保護するため、表面に膜を作りません。
そのため木の呼吸を妨げず、自然な質感が保たれます。経年による深みのある色合いに変化するのも魅力です。

Børge Mogensenの BM71 Library Table

オーク材の風合いを活かしたオイル仕上げ
日常のお手入れ
- 乾いた柔らかい布での拭き掃除
- 水分や汚れは即座に拭き取る
- 食事後は必ず拭き上げる習慣を
定期メンテナンス
- 年1〜2回のオイル再塗布が推奨
- 使用オイル:デンマークオイル、亜麻仁油配合の家具オイル、家具専用オイル
- 手順:表面を軽くサンディング→オイル塗布→浸透後拭き取り→乾燥→乾拭き
注意点
- オイルを塗布すると元の色より濃くなる可能性
- 水分を放置すると輪染みや黒ずみの原因に
- 長期間オイルメンテナンスを怠ると乾燥しひび割れの可能性
- コースター、ランチョンマット、テーブルクロスの使用を強く推奨
- 小傷は再オイル処理で目立たなくなります
メリット
- 木の呼吸を妨げず、自然な質感を楽しめる
- 傷や色褪せも味わいとなり、使い込むほどに風合いが増す
2. ラッカー塗装 - 木目の美しさを引き出す透明感

特徴
ニトロセルロースという、木の主成分と同じセルロースを溶剤に溶かした速乾性の塗料を使用する伝統的な仕上げ方法です。
ウレタン塗装よりも薄い塗膜で、木の質感を感じられる仕上がりが特徴です。
薄く何層も重ね塗り(5〜10層程度、各層は数分で乾燥)、最終層を細かく研磨し、コンパウンドで磨いて艶を出します。
速乾性のため作業効率が良く、薄い塗膜を重ねることで木目の透明感を保ちながら保護することができます。
1950〜60年代という北欧家具の黄金期に最も多く採用されましたが、その理由の1つは、薄く透明な塗膜で木目を美しく見せる特性が、北欧デザインの美学と合致したと言えるでしょう。

Finn Juhlの ダイニングテーブル ブラジリアンローズウッドを使用している

絶妙な艶感のラッカー塗装で仕上げている
日常のお手入れ
- 柔らかい布での乾拭き(マイクロファイバークロスが最適)
- 汚れは固く絞った布で優しく拭き、すぐに乾拭き
- 定期的な拭き掃除で埃や汚れを蓄積させない
- 塗装の劣化防止に蜜蝋を塗布→乾燥→乾拭き
注意点
- ウレタン塗装よりも塗膜が薄く、傷つきやすい
- アルコール、シンナー、除光液などの溶剤は厳禁(塗膜が溶けます)
- 熱や水分に弱く、輪染みができやすい
- 直射日光で黄変(黄色く変色)する可能性がある
- コースターやランチョンマットは必須
- 小傷は専門家によるリペアで修復可能
メリット
- 木目の美しさを最も活かせる
- ヴィンテージ家具ならではの温かみと高級感が出る
- 経年変化による深みのある色合いも魅力
3. ウレタン塗装 - 日常使いに強い耐久性

特徴
ポリウレタン樹脂を主成分とした塗料を使用します。
艶あり(グロス)と艶消し(マット)があり、両者を混ぜて調整することで半艶(セミグロス)など、様々な光沢度を実現できます。
艶ありは光沢が美しく木目を際立たせ、艶消しは落ち着いた質感で指紋や小傷が目立ちにくいという特徴があります。
表面に透明な保護膜を形成し、木材を水分や汚れから守ることができるためダイニングテーブルに多く見られます。
1960年代後半からポリウレタン樹脂塗料が家具業界に導入され、1970年代以降は本格的に普及し、ラッカー塗装に代わって主流になりました。


ウレタン塗装で仕上げている
日常のお手入れ
- 柔らかいマイクロファイバークロスでの乾拭き
- 汚れがある場合は、固く絞った布での水拭き後、必ず乾拭き
- 週1回程度の定期的な拭き掃除
注意点
- 研磨剤入りクリーナーやメラミンスポンジは塗装を傷めます
- 熱い鍋やカップを直接置かない(輪染みや白濁の原因)
- アルコール系・シンナー系洗剤は塗装を溶かす可能性があります
- コースターやランチョンマットの使用を推奨
メリット
- メンテナンスが比較的簡単で、日常使いに適している
- 水分への耐性が高く、ダイニングテーブルに適している
デメリット
- 天板面に深い傷がはいった場合の再塗装は専門業者へ相談
4. ヴィンテージ品ならではの配慮
オイル仕上げ、ラッカー塗装、ウレタン塗装のどれであっても、ヴィンテージ家具には共通して必要な配慮があります。
環境
- 🌡️ 暖房器具の直近を避け、急激な温度変化から守る
- 💧 湿度40〜60%を維持し、木材の収縮・膨張やホコリの付着を防ぐ
- ☀️ 直射日光を避け、UVカットフィルムやカーテンで保護(特にラッカー塗装は黄変に注意)
チェックとメンテナンス
- 脚と天板の接合部の緩みを確認(ガタつきがあれば早めに専門家へ)
- 塗装の著しい劣化がある場合は、専門家による修繕を検討
- 延長式テーブルは稼働するかどうか定期的に動作確認
- 重量物を長期間同じ場所に置かない(天板の反り防止)
- 移動時は必ず2人以上で
- デザイナーズマークや製造者ラベルは保存
- オリジナルの風合いを尊重し、過度な修復は避ける
まとめ
ヴィンテージのテーブルは、適切なケアを行うことで何世代にもわたって使い続けることができます。
オイル仕上げは木の自然な質感と経年変化の楽しみを、ラッカー塗装は木目の美しさと高級感を、ウレタン塗装は日常使いの利便性を提供します。
あなたのテーブルに合ったお手入れ方法で、北欧デザインの名作を大切に育ててください。
ヴィンテージ家具のお手入れやメンテナンスについてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧にサポートいたします。
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