コレクション: Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen

Peter Hvidt(ピーター・ヴィッツ)1916-1986
Orla Molgaard Nielsen（オーラ・ムルガード・ニールセン)1907-1993

ピーターは1916年にコペンハーゲンでデンマークの裁判所の長官の息子として生まれ、幼少期はコペンハーゲンで育ち、市内のデザインスクールに進みます。1942年には自身のデザインスタジオを開設しています。

一方、モルガードは1907年にデンマークの4 番目に大きな都市オールボー（コペンハーゲン、オーフス、オーデンセに次ぐ）で生まれました。のちにコペンハーゲンにあるデザイン ミュージアムのアーツ＆クラフトのスクール (1928 年) で訓練を受けたことがきっかけとなり、デンマーク王立芸術アカデミー (1931–1934) でカーレ・クリントの下で家具デザインを学ぶことになります。

ピーターとモルガードは出会って間もなくして、家具と建築の両方の仕事を引き受けられるように1944 年から共同で事務所を設立しました。以来30年間、共同で家具・装飾・建築の分野で活躍しています。

設立当初から彼らはコペンハーゲンの家具職人組合が主催する展示会（デザイナーズギルド展）に、さまざまなメーカーや工房と協力して精力的に出展しました。

彼らの家具の代表作であるPortex (1945 年) や Axe (1950 年) などの先駆的な家具を発表したのもこの頃の作品です。
Axe Chairはフリッツ・ハンセン社の積層合板を用いて成形する当時革新的な技術にノックダウン構造で梱包時に省スペース化を考慮したアイデアを加えた作品です。デザイン当初から海外への輸出を念頭においたデザインであったことが分かります。また、彼らの作品（特に収納家具）の特長でもある蛇腹扉や接続部分に組み接合が施されており、造りへのこだわりを感じることができます。
彼らは主に輸出用家具で知られていますが、この分野での功績は単にデザインの領域を広げただけでなく、工業デザインとしての製造方法や販売にまで影響を与えました。

建築・室内装飾の分野では集合住宅・オフィスビル・工場・橋などのプロジェクトに関わっており、コペンハーゲンのサウス ドックランズにあるノキア (1996 年) やエストニアの主要な港湾再開発 (Noblessner) など多岐にわたります。