1923-2005Nanna Ditzel(ナナ・ディッツェル)は20世紀を代表する家具デザイナーであり、ジュエリーデザイナーのひとりです。コペンハーゲンのデンマーク美術工芸学校とデンマーク王立美術アカデミーで、画家のVictor Isbrand(ヴィクトル イスブランド)、Orla Mølgaard-Nielsen(オーラ モルガード ニールセン)、Peter Hvidt(ピーター・ヴィット)、Kaare Klint(コーア・クリント)に師事し、1946年に卒業しました。卒業後、夫であるヨルゲン・ディッツェル氏と共に事務所を設立。設立初期からグラスファイバー、網細工、気泡ゴムなど異なる素材を試したディッツェルの革新性は他の家具デザイナーとは一線を画し、家具、ジュエリー、テーブルウェア、絨毯、テキスタイルなどの多岐に渡る分野に携わりました。そのデザインには女性的な優しさや自然の美しさに対する敬意があらわれており、現代においても変わらない美しさを感じることができます。デンマークデザインの黄金期(1940年代~1970年代)に、スカンジナビアンデザインの著名人とともに最も多くの作品を残しました。アムステルダム、ニューヨーク、ウィーン、ロンドン、ストックホルム、ミラノ、グラスゴー、マンチェスター、レイキャヴィーク、パリ、デンマークなどで何度もその作品を展示し、デンマークそして海外において数多くの賞を受賞しました。時には職人のように、女性ならではの視点で、美しく機能的な形へと変貌させるデザインに魅了されていたメーカーも多く、彼女が協力した企業にはGeorg Jensen(ジョージ・ジャンセン)・Fredericia(フレデリシア)・GETAMA(ゲタマ)・ヤマカワラタン・SØHOLM(スーホルム)・kvadrat(クヴァドラ)などが挙げられます。