1921-2003Ib Kofod-Larsen（イヴ・コフォード・ラーセン）はデンマークの建築家であり、家具デザイナーです。特に家具デザイナーとして多くの量産家具及びキャビネットメーカーの製作家具のデザインを手掛けました。 1921年にデンマークで生まれ、多くの建築やデザイナーと同様にコペンハーゲンのデンマーク王立美術大学で学びます。卒業後は、インダストリアル・プロダクト及び工房家具の作品を製作し、デザイナーとして初めて世間に知られたのは1948年にホルムガードのグラスコンペティションにて受賞した時でした。同年には、デンマークのキャビネットメーカー協会の年次賞を受賞。彼の潜在的な能力を見出したデンマークの家具メーカーFaarup Møbelfabrikが彼を雇い、彼の素晴らしい作品の１つであるサイドボードModel 66が製作されました。余計な飾りや装飾を加えず、ローズウッドの美しい杢目を活かした造りの作品はデザイナーとしての地位を確立させました。中世のデンマークデザインの基本理念に従い、優美でミニマルな美学を備えた多目的で実用的な作品を作り出しています。 ラーセンはデンマークで生まれ育ちましたが、デンマーク以外のスウェーデンやイギリスなどのメーカーと仕事をしていたこともあり、同世代のデザイナーに比べて自国ではあまり有名ではありませんでした。 特にイギリスの家具メーカーG-Plan（ジー・プラン）に最も影響を与えたデザイナーであり、いくつかのデザインは現代のミニマリスト作品としてみなされています。イブ・コフォード・ラーセンの名を後世に残すこととなった名作"U-56 easy chair（エリザベスチェア）”は1956年デンマークキャビネットメーカーズギルド展にて発表されました。Christensen＆Larsen(クリスチャン＆ラーセン）にて製作された品です。当時、エリザベス女王とフィリップ殿下がコペンハーゲンを訪れた際に手に入れたことから、「エリザベス チェア」と呼ばれています。 中世のデンマークデザインの基本理念に従い、優美でミニマルな美学を備えた多目的で実用的な作品は多くのヴィンテージ愛好家を虜にしています。
