1907-1993 フォルマー・ベンドセン(Folmer Bendtsen)は、デンマーク・コペンハーゲン出身の画家です。 独学で絵を学び、戦後デンマークにおける社会的リアリズムを代表する存在として知られています。 彼はNørrebro(ノアブロ)や北西地区など労働者階級の住む地域を題材に、工場跡地や裏庭、鉄くず置き場といった都市の周縁を静かに描いています。 代表作に、鉄置き場を舞台にした油彩「Ved jernpladsen, Norrebro」(1940年頃)や、裏庭の子どもたちを描いたリトグラフ「Legende born」(1950年頃)があります。 これらの作品には、生活の厳しさと同時に人々への温かな眼差しが宿っています。 油彩のほか版画やリトグラフでも多くの作品を残し、デンマーク各地の美術館に所蔵されています。 ベンドセンの作品は、華やかな北欧モダンとは異なる視点から都市の現実を記録し、静かな詩情と社会への洞察を併せ持つものとして高く評価されています。