Anton Kildeberg(アントン・キルデベア)はデンマークのデザイナーであり家具職人です。1893年にデンマークのOdense(オーデンセ)で創業された家具メーカー Anton Kildeberg Mobelfabrik(アントン・キルデベア家具工房)に由来する名で、20世紀中頃の北欧家具デザインにおいて高く評価されています。特に1950~1960年代に製造された作品は、チークやブナ材などを使用し、有機的な曲線やミニマルで洗練されたフォルムを特徴としています。代表作のバイオモルフィックコーヒーテーブルや、モデル186 コーヒーテーブルは緻密なディテールを持ち、北欧ミッドセンチュリーデザインの魅力を体現しています。また、デンマークの著名デザイナーであるFinn Juhl(フィン・ユール)が設計した、折りたたみ式の天板を備えたテーブルの製造を手がけていたことでも知られ、その技術力と品質の高さがうかがえます。 一方で、Kildebergの家具は創業者本人の詳細な経歴やデザイン活動の全貌については不明な点も多く、ブランドや工房名として記録されているケースが多いようです。ヴィンテージ市場でも希少価値が高く、世界中のコレクターや北欧デザイン愛好家の間で高い人気を誇ります。